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アルツハイマー型認知症の予防に注意を払っていく重要性

土曜日, 3月 22nd, 2014

八〇歳になると、八割以上の人が何らかの血管障害、主として梗塞を持っていますが、そのうち三割を超える人が気づいていません。

あまり影響のない場所だったり、小さかったりして気づかないのです。現代のようにCTで脳を輪切りにした画像を見られるようになると、症状がなくても簡単に見つかりますから、薬を飲んで脳血管性認知症にブレーキをかけることができます。

平均寿命が急速に延びるとともに、だんだん認知症が多くなり、社会問題としても取り上げられるくらいになりました。昭和五十年代、認知症が増えたなと、ある先生は実感したそうです。老人専門病院で診療をしている以上、認知症を避けて通れなくなったのです。

脳の血管が破れる脳出血や、血管が詰まる脳梗塞などが、ある程度克服できるようになってからは、後遺症でもある脳血管性認知症が増えてきました。

少し前まで、日本ではアルツハイマー型認知症は少なく、圧倒的に脳血管性認知症が多かったのですが、その後、血管障害の再発を予防する薬が出たり、リスクが高くなる高血圧は健康診断で早めに手が打たれるようになってから、脳血管性とアルツハイマー型の発症率が逆転しました。

最近では、およそ半分がアルツハイマー型となりました。

比率で言うと、かつての日本では脳血管性認知症が約60%、アルツハイマー型認知症が約30%、混合型が約10%でした。現在では、病院で解剖して確かめた結果では、脳血管性認知症が約30%、アルツハイマー型認知症が約50%、混合型とその他が約20%となっています。

その他というのは、脳血管性認知症でもアルツハイマー型認知症でもなく、脳の組織の性質が変化する変性性認知症で、これが増加しつつあります。

認知症・老人ボケの治し方!

疫学的なデータでも、脳血管性認知症は、以前よりもずっと少なくなっていますから、相当予防ができると思っています。今後は、ますますアルツハイマー型認知症の予防に注意を払っていく重要性がおわかりいただけることと思います。