肥満のような多因子遺伝疾患
水曜日, 7月 6th, 2011単一遺伝子変異にもとづいて発症する疾患であっても、環境因子によってその発症が左右されることがあります。
したがって、遺伝性疾患の原因や発症機構をさぐるうえで重要なことは、遺伝素因と環境因子がそれぞれどの程度、発症に関与しているか、また、環境因子をコントロールすることでその疾患の発症をどの程度抑制できるか、といった点を解析することにあります。
この作業を現実におこなうとなると、とくに肥満のような多因子遺伝疾患では非常に複雑な理論が必要となるのです。
BMIは、年齢が高くなるにしたがって大きくなり、48歳のときにはすでに26近くに達している。これは、日本肥満学会の基準では、肥満に近い値です。
(アメリカでは27~28以上を肥満とすることが多い)。
また、グループ内でのばらつきを示す標準偏差も、年齢が高くなるにつれて大きくなっているようです。20歳では2.4であったものが、徐々に上がり、63歳では3.5となった。つまり、被験者間の個人差が大きくなったのです。
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子どものときには、共有している環境が、BMIに大きな影響を与えるでしょう。
解析された環境因子は、すべて非共有のものであり、その影響は年齢とともに激増しています。BMIの標準偏差が大きくなっていることも考えると、成人後は、個人をかこむ環境の差によって、BMIにばらつきが出ることをある程度説明できるのです。