FXと国際収支の関係とは

国際収支は,国全体の対外取引での資金収支を表す。国のC/F(キャッシュフロー計算書)に相当する国際収支は,主に2つのパートからなる。

貿易取引や投資収益を主体とする“経常収支”と,資金の運用・調達や事業投資が対象の“資本収支”である。

企業のC/F計算書に例えるど経常収支”は,本業の利益や金融収支が記載されている営業C/Fに定義が近い。“資本収支”は,設備投資や証券投資が対象の投資C/Fおよび社債発行や銀行借入での資金調達を記す財務C/Fに相当すると言えよう。

企業のC/F計算書と同じ要領で,国に資金が入ってくる要因は+(プラス),国から資金が出て行く要因は-(マイナス)でカウントし,それぞれの収支が集計される。

輸出立国の日本は,輸出額が輸入額を上回ることに加え,企業の海外進出拠点からの投資収益が少なからず寄与している。経常収支は大きくプラスで推移してきた。

それらの稼ぎを,対FX外貨準備での米国債購入を始め海外投資や企業の海外での設備投資に充当するため,資本収支は大きくマイナスとなっている。

参照ウェブサイト・・・『FXねずみ小僧(次郎吉)のトレードブログ』http://fx-revenge.net/

ここで,事業や投資での収益に相当するプラスの経常収支の行方は2つである。1つは,国の貯蓄としての対FX外貨準備に追加される。もう1つは,国の米国債購入や企業の海外での設備投資への資金支出として,資本収支のマイナスに作用する。

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